情報を渡しても一般論しか返ってこない|3回に分けて聞くと変わります

材料は渡しているのに当たり障りのない答えになる方へ。原因は聞き方の浅さです。
この記事でわかること
- 広すぎるのではなく浅い
- 3回に分けて聞く
- 足すだけで変わる4つの言葉
この記事の要点
| 見出し | ひとことで言うと |
|---|---|
| 先に結論:聞き方が「広すぎる」のではなく「浅い」 | よく言われるのは「質問が漠然としている」という話です。 |
| 抜け方:3回に分けて聞く | 1回で答えを出させず、3回に分けます。 |
| なぜ分けると変わるのか | 理由は2つあります。 |
| もう1つの原因:ほしい答えが自分でも分かっていない | ここからは、少し耳の痛い話です。 |
| 言葉を足すだけで変わる4つ | 分けて聞くほどでもない場面で使える、短い足し算もあります。 |
| 一般論が悪いわけではありません | 最後に、ひとつだけ。 |
| それでも止まってしまう場合 | ここまでやっても、うまくいかないことがあります。 |
| 今日やること(1つだけ) | いつもの質問を、1回だけ分けてみてください。 |
以前、この話を書きました。
そのときは、自分の情報を渡していないことが原因だ、と書きました。
企業向けのAI研修で講師をしています。
整骨院、介護、電気設備など、ふだんパソコンをあまり使わない現場が中心です。
ところが、研修を重ねるうちに、別のことが分かってきました。
情報をちゃんと渡しているのに、
それでも当たり障りのない答えしか返ってこない方がいます。
そういう方には、共通点がありました。
この記事では、情報を渡しているのに一般論で終わる理由と、その抜け方を書きます。
01先に結論:聞き方が「広すぎる」のではなく「浅い」
よく言われるのは「質問が漠然としている」という話です。
これは半分だけ当たっています。
実際に多いのは、漠然としているのではなく、
1回で終わらせようとしている、という形です。
たとえば、こういう頼み方です。
ここに、来院数の推移や立地の情報を足したとします。
それでも、返ってくるのは「口コミを増やす」「SNSを活用する」あたりです。
情報は足りているのに、答えが浅い。
理由は単純で、AIは1回の返事で全体をまとめようとするからです。
全体をまとめると、必ず薄くなります。
人間でも同じです。
02抜け方:3回に分けて聞く
やり方を変えます。
1回で答えを出させず、3回に分けます。
1回目は、整理させます。
ここで大事なのは、解決策を禁止することです。
禁止しないと、勝手に結論に飛びます。
2回目は、絞らせます。
出てきた原因のうち、自分の感覚で合っていそうなものを2つか3つ選びます。
ここで初めて、具体的な話が出てきます。
3回目で、やっと解決策を聞きます。
条件を足すのがコツです。
「来週から」「費用をかけずに」と縛ると、現実的なものしか出せなくなります。
研修でこれをやると、3回目の答えが明らかに変わります。
参加者の方からも「急に使える答えになった」と言われます。
03なぜ分けると変わるのか
理由は2つあります。
1つは、AIが書いた文章を、AI自身が材料にできるからです。
1回目で原因を書かせると、その文章が会話に残ります。
2回目はそれを読んだ上で答えます。
つまり、自分で作った材料の上に積み上げていきます。
もう1つは、自分が選べるからです。
1回目で10個の原因が出てきたとき、どれが自分の現場に近いかは、自分がいちばん分かります。
その選択が、答えを自分のものに寄せていきます。
AIに丸投げしているうちは、一般論から抜けられません。
途中で自分が選ぶから、具体的になります。
04もう1つの原因:ほしい答えが自分でも分かっていない
ここからは、少し耳の痛い話です。
一般論しか返ってこないと言う方の中に、
そもそも何がほしいのか決まっていない、という方がいます。
これは責める話ではありません。
よくあることです。
見分け方があります。
返ってきた答えを読んで、「そうじゃないんだよな」と思ったとき、
何が違うのか説明できるかどうか。
説明できるなら、それを言葉にして伝えれば済みます。
説明できないなら、ほしいものが決まっていません。
その状態で何回聞いても、同じところを回ります。
対処は、逆から聞くことです。
出てきたものを見て、「これは違う」「これは近い」と選んでいく。
選んでいるうちに、自分がほしいものが見えてきます。
研修でも、この逆向きのやり方は反応が良いです。
ゼロから考えるより、出されたものを選ぶほうが楽だからです。
05言葉を足すだけで変わる4つ
分けて聞くほどでもない場面で使える、短い足し算もあります。
1つめは、立場を決めることです。
読む相手を決めると、言葉のレベルが揃います。
2つめは、数を決めることです。
「できるだけ」と言うと、当たり障りのないものが並びます。
3つめは、除外することです。
これは意外と効きます。
自分でも分かっている話を避けてくれます。
4つめは、理由を要求することです。
理由を書かせると、根拠の薄いものが減ります。
06よくある質問
3回に分けるのは面倒ではないですか
1回あたりの文章も短くなるので、読むのも楽になります。
途中で話がずれていきます
そのときは、今までの内容を箇条書きでまとめさせて、新しい画面に貼り直してください。
自分の情報をどこまで渡せばいいですか
社外に出せない数字や名前は「A社」「約○件」に置き換えてから渡してください。
それでも薄い答えしか出ません
正解がない問いには、AIも一般論しか出せません。その場合は、人に聞く場面です。
07一般論が悪いわけではありません
最後に、ひとつだけ。
一般論が返ってくること自体は、悪いことではありません。
自分が知らない分野では、まず一般論を知る必要があります。
その入口としては、十分に役立ちます。
困るのは、自分がすでに知っている分野で一般論が返ってくるときです。
その場合は、聞き方の問題です。
この記事に書いた分け方を試してみてください。
08それでも止まってしまう場合
ここまでやっても、うまくいかないことがあります。
多くは、どこを直せばいいのか自分で判断できないからです。
返ってきた答えが物足りないのは分かる。
でも、原因が情報不足なのか、聞き方なのか、問い自体なのか、区別がつかない。
ここで止まる方が、いちばん多いです。
職場に詳しい人がいるなら、やり取りの画面をそのまま見せてください。
人が見ると、すぐ分かることが多いです。
いない場合は、聞ける場所があるものを選んでください。
自分ひとりで原因を切り分けるのは、慣れるまで難しいです。
09今日やること(1つだけ)
いつもの質問を、1回だけ分けてみてください。
まず「原因だけ挙げてください。解決策は書かないでください」と頼む。
返ってきたものから、2つ選ぶ。
そこまでで、今日は終わりです。
続きは明日で構いません。

