AIで作ったと言わないとダメ?|誰の名前で出るかで決まります

言わなくていい場面と、必ず確認すべき場面を分けました。聞き方のひな形つき。
この記事でわかること
- 言わなくていい場面
- 必ず確認すべき場面
- そのまま使える聞き方
この記事の要点
| 見出し | ひとことで言うと |
|---|---|
| 先に結論:「誰の名前で出るか」で決まります | 判断の基準は1つです。 |
| 言わなくていい場面 | まず、言わなくていいものから書きます。 |
| 必ず確認すべき場面 | ここからが大事です。 |
| 聞き方のひな形 | 聞き方を変えると、通りやすくなります。 |
| 第三者に向けて出すとき | もう1つ、注意が要る場面があります。 |
| いちばん危ないのは、確認せずに出すこと | ここまで書いてきて、いちばん伝えたいのはここです。 |
| それでも判断に迷うとき | ここまで書いた線引きでも、迷う場面は出てきます。 |
| 今日やること(1つだけ) | 勤務先の規程を開いて、「生成AI」か「AI」で検索してください。 |
これも、研修でよく聞かれます。
聞いてくる方の顔は、だいたい不安そうです。
企業向けのAI研修で講師をしています。
整骨院、介護、電気設備など、ふだんパソコンをあまり使わない現場が中心です。
先に答えを書きます。
全部を言う必要はありません。
ただし、言わなければならない場面が、はっきりあります。
ここを間違えると、信用を落とします。
逆に、必要ない場面でいちいち申告すると、仕事が止まります。
この記事では、その線引きを書きます。
01先に結論:「誰の名前で出るか」で決まります
判断の基準は1つです。
最終的に、誰の名前で世に出るか。
- 自分の名前で出るもの → 言わなくていい
- 相手の名前で出るもの → 事前に確認する
- 第三者に向けて「人が書いた」と見える形で出るもの → 表示が要る場合がある
これだけです。
AIを使ったかどうかではなく、出口で決まります。
02言わなくていい場面
まず、言わなくていいものから書きます。
自分の仕事の下ごしらえに使う場合です。
- メールの下書きを作る
- 会議のメモを整える
- 資料の構成を考える
- 日報の文章を直す
これらは、言う必要がありません。
理由は、最終的に自分が確認して、自分の責任で出しているからです。
電卓を使って計算したときに、「電卓を使いました」と言わないのと同じです。
研修でこの説明をすると、たいてい納得されます。
道具を使ったことを、いちいち申告する習慣はありません。
03必ず確認すべき場面
ここからが大事です。
相手の名前で出るものを作るときは、先に確認してください。
具体的には、こういうときです。
- お客様から文章の作成を頼まれている
- 社外に出す資料を、他部署の名前で出す
- 誰かの代わりに、その人の言葉として書く
このとき、AIを使っていいかどうかは、相手が決めることです。
自分では決められません。
とくに、仕事として受けている場合。
契約書や発注書に「AIの使用について」の項目が入っていることがあります。
最近は増えました。
読まずに進めると、あとで揉めます。
研修先でも、一度ありました。
担当者の方が良かれと思ってAIで資料を作ったところ、取引先の規程で禁止されていた。
悪意はありませんでした。知らなかっただけです。
それでも、説明に時間を取られていました。
04聞き方のひな形
断られるかもしれないからです。
聞き方を変えると、通りやすくなります。
たとえば、こういう言い方です。
ポイントは2つです。
1つめは、使う範囲を限定していること。
「下書きに使う」と言っています。丸投げではないと伝わります。
2つめは、自分が確認すると言っていること。
責任の所在がはっきりします。
こう言って断られることは、あまりありません。
断られたら、そのときは手で書けばいいだけです。
05第三者に向けて出すとき
もう1つ、注意が要る場面があります。
不特定の人に向けて出すものです。
ブログ、SNS、商品の説明文、口コミなど。
ここは業界ごとにルールが違いますし、変わります。
たとえば、広告であることを隠して個人の感想のように見せる書き方は、規制の対象になります。
これはAIを使ったかどうかとは別の話ですが、関係する場面が多いです。
迷ったときは、次の2つを見てください。
- 出す先のサービスの利用規約(AI生成物の扱いが書かれていることがあります)
- 自分の業界の団体が出している指針
ルールは変わります。
人の記事の情報ではなく、必ず元のページで確認してください。
06よくある質問
AIで作ったことがバレますか
ただ、バレるかどうかを気にするより、内容が正しいかを見たほうが建設的です。
間違った内容を出せば、AIを使ったかどうかに関係なく信用を落とします。
社内の資料でも確認が要りますか
AIの利用そのものを制限している会社があります。まず規程を確認してください。
「AIで作りました」と言うと、価値が下がりませんか
だからこそ、相手の名前で出るものだけ確認する、という線引きが要ります。
全部申告すると、下ごしらえまで安く見られます。
どこまで直せば「自分が書いた」と言えますか
ただ、研修ではこう言っています。中身を人に説明できるなら、自分のものです。
聞かれて答えられない文章は、直し足りていません。
お客様の情報をAIに入れていいですか
名前や数字は「A社」「約○件」に置き換えてから渡します。
判断に迷うときは、勤務先の規程と情報システム部門の指示が最優先です。
07いちばん危ないのは、確認せずに出すこと
ここまで書いてきて、いちばん伝えたいのはここです。
問題になるのは、AIを使ったことではありません。
中身を確認せずに出したことです。
研修で見てきた失敗は、ほぼ全部これです。
数字が間違っていた。
会社名が違っていた。
存在しない制度の名前が入っていた。
AIは、もっともらしい間違いを平気で書きます。
しかも、自信たっぷりに書きます。
だから、出す前に自分で読む。
数字と固有名詞だけは必ず確かめる。
これをやっていれば、使ったかどうかはあまり問題になりません。
逆に、これをやらずに出すと、「AIに任せきりの人」という評価がつきます。
一度つくと、戻すのが大変です。
08それでも判断に迷うとき
ここまで書いた線引きでも、迷う場面は出てきます。
業種によってルールが違うからです。
職場に詳しい人がいるなら、先に聞いてください。
「これは出していいか」を1回聞くほうが、あとで謝るより早いです。
いない場合は、聞ける相手を作っておいてください。
判断を自分ひとりで抱えると、使うこと自体をやめてしまいます。
実際、それで止まる方を何人も見ました。
怖くなって、開かなくなるんです。
09今日やること(1つだけ)
勤務先の規程を開いて、「生成AI」か「AI」で検索してください。
何も出てこなければ、まだ決まっていないということです。
それも分かっておく価値があります。
何か書いてあれば、そこが自分の線引きです。

