AIを使うと逆に時間がかかる?|遅くなる3つの原因

最初は手でやったほうが速い作業があります。どこで損しているかを整理しました。
この記事でわかること
- 向いてない仕事に使っている
- 頼むのに時間をかけすぎ
- 確認に時間をかけすぎ
この記事の要点
| 見出し | ひとことで言うと |
|---|---|
| 先に結論:遅くなる原因は3つしかありません | 時間がかかる方を見ていると、原因はだいたいこの3つです。 |
| 1|向いていない仕事に使っている | いちばん多いのがこれです。 |
| 2|頼むのに時間をかけすぎている | 次に多いのが、頼み方で止まることです。 |
| 3|確認に時間をかけすぎている | 意外と見落とされるのが、これです。 |
| 時間を測ってみてください | ここまで読んで、「本当に速くなるのか」と思った方へ。 |
| 「慣れるまでの時間」は、どう考えるか | 最初に損をする時間は、確実にあります。 |
| いちばん大きな誤解 | 最後に、ひとつだけ。 |
| それでも遅いままの場合 | ここまでやっても、速くならないことがあります。 |
| 会社の情報を使うときだけ | 作業を任せるときも、社外に出せない情報はそのまま貼らないでください。 |
| 今日やること(1つだけ) | 今週、必ず来る作業を1つ思い浮かべてください。 |
研修の2回目で、よく言われます。
1回目のあと、実際に試した方の感想です。
企業向けのAI研修で講師をしています。
整骨院、介護、電気設備など、ふだんパソコンをあまり使わない現場が中心です。
これは、半分は本当です。
最初のうちは、手でやったほうが速い作業があります。
ただ、ずっと遅いままの人と、2週間で逆転する人がいます。
その差は、才能ではありません。
選んでいる仕事が違うだけです。
この記事では、どこで時間を損しているかと、その直し方を書きます。
01先に結論:遅くなる原因は3つしかありません
時間がかかる方を見ていると、原因はだいたいこの3つです。
- 向いていない仕事に使っている
- 頼むのに時間をかけすぎている
- 確認に時間をかけすぎている
順番に見ていきます。
021|向いていない仕事に使っている
いちばん多いのがこれです。
AIに向いていない仕事があります。
- 短い文章(1〜2行のメール返信)
- 自分しか知らない情報が必要なもの
- 答えが1つに決まっていて、調べれば分かるもの
AIを使う必要はありません。
打ったほうが速いです。
研修で、こういう場面を何度も見ました。
せっかく覚えたから使おうとして、かえって遠回りになっています。
逆に、向いているのはこういう仕事です。
- 長いものを短くする
- ばらばらのメモを整える
- 同じ形のものを何度も作る
- 言い方を変える
共通しているのは、**手でやると面倒だけれど、頭はあまり使わない**仕事です。
ここに当てるかどうかで、速くなるか遅くなるかが決まります。
032|頼むのに時間をかけすぎている
次に多いのが、頼み方で止まることです。
何をどう書けばいいか考えているうちに、5分経っている。
これなら自分でやったほうが速い、となります。
対策は2つあります。
ひとつは、**短く頼んで、あとから足す**ことです。
最初から完璧な指示を書こうとしないでください。
まずこれだけ送ります。
返ってきたものを見て、「もっと丁寧に」「3行で」と足していきます。
考える時間がゼロになります。
もうひとつは、**うまくいった頼み方を保存する**ことです。
一度うまくいったら、その文章をメモ帳に貼っておく。
次からはコピーして貼るだけです。
これで、2回目以降は5秒になります。
研修では、この保存をやった方とやらなかった方で、
3か月後の使用頻度がはっきり分かれました。
043|確認に時間をかけすぎている
意外と見落とされるのが、これです。
出てきた文章を、全部読み直している。
一字一句、確かめている。
これでは時間がかかります。
確認するところは、3つだけで足ります。
- 数字
- 固有名詞(会社名、人名、地名)
- 結論の向き(賛成か反対か、やるかやらないか)
この3つが合っていれば、あとは多少おかしくても実害が出ません。
逆に言うと、この3つだけは必ず見てください。
ここが間違っていると、取り返しがつきません。
全文を読むのに3分かかっていたものが、この方法なら30秒です。
05時間を測ってみてください
ここまで読んで、「本当に速くなるのか」と思った方へ。
一度、測ってみることを勧めます。
やり方は簡単です。
いつもの作業を、まず手でやって時間を測る。
次の同じ作業を、AIを使って測る。
これを3回やってください。
1回目は、たぶん負けます。
2回目は、互角くらいになります。
3回目で、だいたい追い抜きます。
研修でも、この測定をしてもらうことがあります。
数字で見ると、納得されます。
逆に、3回やっても遅いままなら、その仕事はAIに向いていません。
別の仕事に移ってください。
06「慣れるまでの時間」は、どう考えるか
正直に書きます。
最初に損をする時間は、確実にあります。
アプリを入れる。
使い方を覚える。
失敗する。
ここで何時間か使います。
この時間を取り返せるかどうかは、**その作業が何回来るか**で決まります。
月に1回しか来ない作業なら、覚える意味は薄いです。
毎週来る作業なら、1か月で元が取れます。
だから、最初に選ぶ仕事は「毎週必ず来るもの」にしてください。
これは研修でも最初に伝えることです。
珍しい仕事ではなく、繰り返す仕事から始める。
07よくある質問
慣れるまでどのくらいかかりますか
複数を同時に覚えようとすると、何か月かかっても慣れません。
入力が遅いのですが
打つより速いです。パソコンが苦手な方ほど、こちらが向いています。
何回もやり直していると、結局遅いです
その作業は、たぶんAIに向いていません。
若い人はもっと速く使っています
頭の回転の差ではありません。場面が決まれば、同じ速さになります。
08いちばん大きな誤解
最後に、ひとつだけ。
AIは、仕事を速くする道具だと思われています。
半分合っていますが、正確ではありません。
AIが減らすのは、**作業の時間**ではなく、**取りかかるまでの時間**です。
白紙から書き始めるのは、誰でもつらい。
だから後回しにします。
AIに最初の1行を書かせると、そこから直すだけになります。
取りかかるのが、ずっと楽になります。
実際に効いているのは、ここです。
研修で「結局なにが一番変わりましたか」と聞くと、
「手をつけるのが早くなった」と答える方が多いです。
09それでも遅いままの場合
ここまでやっても、速くならないことがあります。
そのときは、原因が3つのどれなのか、自分では分からなくなっています。
仕事の選び方なのか。
頼み方なのか。
確認の仕方なのか。
これは、人に画面を見せるのが一番早いです。
見る人が見れば、数分で分かります。
職場に詳しい人がいるなら、やり取りの画面をそのまま見せてください。
いない場合は、聞ける場所があるものを選んでください。
ひとりで原因を切り分けようとすると、たいてい諦めます。
10会社の情報を使うときだけ
作業を任せるときも、社外に出せない情報はそのまま貼らないでください。
数字や固有名詞は「A社」「約○件」に置き換えます。
迷うときは、勤務先の規程と情報システム部門の指示が最優先です。
11今日やること(1つだけ)
今週、必ず来る作業を1つ思い浮かべてください。
手でやると面倒だけれど、頭はあまり使わない作業です。
それだけ決めて、今日は終わりです。
次にその作業が来たとき、1回だけAIに頼んでみてください。

